この記事でわかること
- 紙のノート一冊に書くと「読み返したくなくなる」理由
- 殴り書きメモと清書ノートの使い分けのルール
- AI時代に人間がやるべき「何を残し何を捨てるか」の判断力を鍛える方法
紙に戻ったあと、もう一段あった
NotionとObsidianをやめて紙のノートにした話は前に書いた(Notion・Obsidianを使い倒した末に、紙とペンに戻ったエンジニアの話)。そのあと数ヶ月、一冊のノートにすべてを書いていたのだが、どうも読み返す気にならない。
理由は単純で、殴り書きの汚い字とあとで見返したい清書が同じノートに混ざっているからだ。思考中の走り書きと整理された考えが同じ紙の上にあると、脳が「これは読み返すものではない」と判断してしまう。
AIが情報を整理し要約してくれる時代に、人間がやるべきは「考える」ことだ。考えるための道具として、紙のノートをもう一段階使い分ける必要があった。
2冊に分けたら全部噛み合った
| 殴り書きメモ | 清書ノート | |
|---|---|---|
| 用途 | 思考のダンプ、アイデア出し | 整理された考え、残すべきこと |
| 紙質 | なんでもいい | 少し厚めがいい |
| サイズ | A5〜B5 | A5 |
| 値段 | 安ければ安いほどいい | 多少高くてもいい |
| 一冊使い切る期間 | 1〜2週間 | 1〜3ヶ月 |
| 読み返すか | ほぼ読み返さない | 定期的に読み返す |
この2冊体制を機能させるルール
- 朝イチの考え事は殴り書きメモに全部出す。整理しない、とにかく書く
- 昼過ぎに一旦殴り書きを見返し、残すべきことだけ清書ノートに転記する
- 清書は箇条書き禁止。必ず文章で書く。箇条書きは後から読んでも意味がわからなくなる
- 殴り書きメモは使い切ったら即捨てる。溜め込まない
- 清書ノートはたまにパラパラ見返す。自分の思考の変化がわかって面白い
なぜこれがAI時代に効くのか
殴り書きを清書するとき、自然と情報の取捨選択が起きる。朝書き散らかした10個のアイデアのうち、夕方になっても価値があると思えるのはせいぜい2〜3個だ。
この「一度寝かせてから選別する」というプロセスが、デジタルツールだと抜け落ちる。Notionは常に編集可能だから、書いたことをそのまま残してしまう。紙は転記という手間があるから、自然と取捨選択が入る。
AIが情報を処理するぶん、人間は「何を残し何を捨てるか」の判断に集中できる。その判断力を鍛える場所として、この2冊は思ったより手応えがある。
今日から、100均のノートをもう一冊買ってきてほしい。片方を殴り書き用、もう片方を清書用にするところから始められる。
朝に思いついたことを雑に書き、昼に見返して「これだけは残す」と選ぶ。その一手間が、AI時代の判断力を鍛える訓練になる。