kinocoboy

Hiroki Kinoshita

木下博貴(きのした ひろき)/ kinocoboy

Frontend / Experience Reliability Engineer

適応課題に向き合うエンジニア。AI疲れ・最適化疲れ(Over-Optimization Backlash)・認知負荷・チーミングを軸に、 人間とテクノロジーの境界で起きる「摩擦」をほどくのが仕事。

X: @kinocoboy2

専門領域

コードを書くことと、人がうまく働くこと。この二つのあいだにある摩擦を 観察し、ほどくことに取り組んでいる。

技術的課題と適応課題を区別し、それぞれに合ったアプローチを選ぶのが得意だ。 新しいツールを導入すれば解決する問題と、人間の認知のしくみそのものに 手を入れる必要がある問題は、根本的に性質が違う。

たとえば「AIが出したコードをレビューしていると異常に疲れる」という現象がある。 これは単なるツール習熟の問題ではなく、人間が「判断し続ける」ことによる 認知負荷の蓄積──つまり適応課題だ。この構造を見抜き、対策を設計するのが 自分の専門性だと考えている。

適応型ソフトウェア開発

仕様は変わる前提で、変化を受け入れるアーキテクチャとチーム設計。 共通化よりも局所最適を優先する判断。

認知的降伏と認知負荷マネジメント

AI疲れ・情報過多の時代に人間の注意と判断力をどう守るか。 情報を捨てる力、スルーする力、委ねる力の設計。アナログ回帰も選択肢のひとつ。

チーミングと組織横断

a11y改善を起点にした組織横断の推進や、スクラムマスターとしてのチーム支援。 役割ではなく「動き方」で関わる。

フロントエンドアーキテクチャ

型の責務分解、Storybook駆動開発、LLMを活用したエージェンティックコーディング、 Playwright/reg-suitによるレガシーコードの安全なリファクタリング。

これまで

木下博貴。1990年代生まれ、北海道出身。新卒で上京し、スタートアップに飛び込んだ。 「すべて最適化しなければ」と自分を追い込み、バーンアウト。

この経験が、今の専門性の原点になっている。燃え尽きるまで追い込まれたからこそ、 「人間の認知には限界がある」という前提に立って設計することの重要性を 骨の髄まで理解した。

GAE/Goのバックエンドエンジニアとしてキャリアをスタートし、 9年のWebエンジニア経験を経て、現在は株式会社カオナビで Frontend / Experience Reliability Engineer として働いている。 その間にフルリモートワークを実現し、東京から新潟への「転職なき移住」を経験。

ところが、フルリモートで仕事をするうちにある違和感に気づいた。 チャットで飛んでくる依頼が、AIへのプロンプトと構造的に酷似しているのだ。 「このままだとAIに代替可能な人間になってしまう」──そう感じたとき、 「人」であることに価値が生まれる環境に身を置く必要があると判断した。 いつでも会えるフットワークの軽さを得るために関東へ回帰し、 現在は千葉県千葉市緑区に住んでいる。

Qiitaで適応型ソフトウェア開発やアジャイルに関する記事を 60本以上公開。SpeakerDeckでは15本の登壇資料を公開、 JSConf JP、ScrumFest Niigata、TSKaigi などのカンファレンスで登壇。 もっとも読まれた発表は「スクラムマスターを目指すためにギャルになってみた話」で、 役割に縛られないチームへの関わり方を、笑える形で届けた。

このサイトについて

baboblog は、最適化疲れ(Over-Optimization Backlash)と向き合い、 適応課題への取り組みを記録する実験場だ。

AIエージェントがコードを書き、判断を代行する時代。AI疲れや情報過多に さらされる中で、人間に残るのは「判断力」「回復力」「何をやらないか決める力」だ。 でも、それらを支える認知のリソースは有限で、放っておくと簡単に枯渇する。

ハウツーではなく、自分が試したこととその結果だけを残している。 短期ハックではなく、数ヶ月〜年単位で続けたこと。 失敗ややめた理由もそのまま。うまくいかなかったことを、 うまくいかなかったと書くことに価値があると思っている。

誰かの参考になれば嬉しいけれど、まずは自分が壊れずに働き続けるための場所だ。

人となり

  • 技術に飲み込まれず、人間の限界を知ったうえで設計するのがうまい。 疲れや違和感に名前をつけるのが癖で、「認知負荷」「認知的降伏」 「閉じている感覚」といった言葉を手がかりに対策を組み立てる。
  • メタファーで考えるのが好き。抽象度の高い構造を、日常のなじみある イメージに置き換えてチームに伝える。SpeakerDeck でも「メタファーの使い方」を テーマに登壇した。
  • 一見わかりにくいが、内向的で、ひとりで作業するほうが性に合っている。 でもチームで育てる文化は大事で、スクラムマスターや組織横断の活動はその延長線上にある。
  • 「経年変化」という言葉が好き。長く使い続けたものにしか出せない 風合いや、時間をかけてこそ見えてくる構造に美しさを感じる。 ガジェットもコードも、人間関係も。
  • 既婚、子あり。土日は家を荒らされないように子供たちを連れ出している。 日常のユーモアは手放さない。

登壇・執筆のご相談や、適応課題まわりの雑談など、何かあればXのDMまで気軽にどうぞ。